暗闇にヤギを探して (MF文庫J)

暗闇にヤギを探して (MF文庫J)
MF文庫新人賞の優秀賞受賞作。
破られた主人公のノートに添えてあったのは「ごめんなさい、おいしかったです」という手紙。
これはアタリだった。
足下がおぼつかないままフワフワと歩き出していってしまう自分自身を、俯瞰してみているような印象の、不思議な心地よさのある作品だ。この空気感は個人的にかなりの好印象、デビュー作らしいけどセンスいいなぁ。独特のまったりしたリズムの文体と、予測不可能な世界観に溺れるつもりで読むといいかも。
読後に心地よい感触以外、なんにも残らないのがすごい。寝覚めのいい小説、という評価が似合うと思う。
絵の人は「十三番目のアリス (電撃文庫)」とか「お姉さんが診てアゲル (二次元ドリーム文庫)*1」とか最近よく目につくなぁ。確かにバランスの良い絶妙なかわいさを描ける人なんだけど、これからメジャーになっていくとして、いつまでそのペンネームで頑張れるのかが微妙に気になります。

今期38冊目!

*1:実はこうゆうのも割と読んでるのだ!