扉の外 (電撃文庫)

扉の外 (電撃文庫)

扉の外 (電撃文庫)

電撃小説大賞の金賞受賞作。
一つの潮流として定着しつつあるような気がする「厳密かつ理不尽なルールが支配する世界に放り込まれた登場人物の群像劇」*1
クラスメイトたちと目覚めればそこは密室、設置された画面に表示されるキャラの指示のもと、奇妙なルールに沿った生活が始まって……という導入はやはり読者の興味をかき立てる。好奇心、頭脳戦、ギスギスっぷり、カタストロフィなど、おそらく期待されている流れは満たしてくれるのだが、物語の結び方はそのベクトルからは外れる場所に置いているので評価が分かれるところだと思う。こうゆういわゆる「ブンガク的」な結びも個人的には好きなんだけどね。
あと、白身魚氏によるイラストの顔のバランス取りが非常に上手くて驚いた。ちょっぴり地味だけど。