狼と香辛料 (4) (電撃文庫)
- 作者: 支倉凍砂,文倉十
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2007/02/10
- メディア: ペーパーバック
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またいつものように訪れる経済的危機と生命的危機。このへんが妙にリアルに描写されており、「経済」という誰でも知っている概念を橋渡しにして、まったく知らない時代/世界の話にも生々しさ感じさせてくれるのがこの作品の特徴。いやぁ実際に中世の行商人はこうやって何人も死んでいったんだろうなぁ、というような危険な(お金絡みの)罠が毎回でてくるのでイヤな緊迫感が楽しめるの、自分が働いてる人ならなおさらだ。今回はもうちょい危機っぷりが欲しかったような気もします。
そしてみなさん御期待の「尻に敷かれたり甘えられたりっぷり」は今回も絶妙に緩急つけつつ激甘。いつもより若干甘めかな。しかしこの人は「尻に敷かれっぷり」を書くのが上手すぎる、一瞬「既婚者か?」とも思ったけどどうやら違うっぽい、さらにこのドリーミーな甘さ、さては女で苦労してましたね? などと勘ぐってしまうのは既婚者の定め。
あと、今回は終わり方が非常にキレイだった。余韻と可能性を残したまま一番いいタイミングで最終話をさらっと描ききりやがった! と思ったままあとがきを読んだら最終回じゃなかったので安心しつつもちょっぴり惜しいという気分も。