デス萌え系

 かつて「デス渋谷系」と呼ばれたジャンルがあったような気がする。他にデスの名を冠する音楽のジャンルを私は2つ知っている、あわせて3つのデス音楽群が存在することになる。

 で、デスってなに?
「デステクノ」に関しては確実に日本で五本の指に入るほどウンチクを語れる自信はあるが、なにがデス(ぷっ)なのかはいまだによくわからない。安直に「黒い」からという連想ももちろんあるだろうが、「ニューロマンティック」や「関西メタル」や「(昔の)テクノ」などと同じく、どこか失笑を前提として語られる要素が「デス音楽群」にはあるのではないだろうか。「一見キャッチーな感じ……でも根が深い問題を孕んでいる」、そんな安直な対立構造が丸見えだからこそ、「まぁアンタはその方向で頑張んなよ(わらぃ)」みたいな評価になるのかもしれない。それゆえに「デス」か。名前の前に「デス」を付けることによる安っぽくも不穏な感じのネーミングたち……。で、ここで「デス萌え系」というくくりで「一見キャッチーで萌える……でも構造的に根が深い問題を孕んでいる」ような例をいろいろ挙げつつ考察していくとなにが出るかななにが出るかな、みたいな期待をしていたのですが、そもそも「萌え」という概念自体が根深く様々な問題を孕んでいつつも激キャッチーなのでなんだ全部デス系じゃん。そうゆうことか。終了。だが何か自分の方向性がまた一つ見えた気が。