虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)

虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)

虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)

面白そうだったので初のハヤカワJコレに手を出してみた。
近未来のアメリカ情報軍特殊部隊vs虐殺ファシズム
2007年の現時点から地続きに想像可能なテクノロジーを用いて行われる、特殊部隊の戦闘行動。その描写がもたらす技術的躍動感が素晴らしい。サイバネティクスIT技術が戦闘/闘争のスタイルを革新するだけでなく、戦争やテロリズムそのものを変質させてゆく様子が明確かつ端的に提示されており、おそらくほとんどの読者は未来に対する何らかの啓示のようなものをこの小説から受け取るのではなかろうか?
そのへんはさておき、とにかく長さを感じさせないほどの面白さ。とりあえずオススメ! 押井やシロマサ好きや、もっとミリミリした趣味の人にもいいんじゃないかなぁ。小難しい話でもないので近未来ガジェットSFのつもりで読んでみるのもいいかと。たぶんラストへの展開は賛否両論だろうなぁ。個人的にはこのくらいがいいです。