職業・殺し屋。 3 (ジェッツコミックス)

職業・殺し屋。 3 (ジェッツコミックス)

職業・殺し屋。 3 (ジェッツコミックス)

1巻〜3巻までをイッキ読み。
平成もののマイフェイバリット少年漫画の1位2位をいまだに「サイボーグクロちゃん (1) (講談社コミックスボンボン (832巻))」と争っている「ゼットマン 1 (ガンガンコミックス)」の著者、西川秀明氏の現行作品。
ZMANは良くも悪くも創刊当時の少年ガンガンノリな血潮がたぎるようなアッツい少年漫画で、登場人物全員のテンションの高さが危険なレベルでメルトダウン寸前な感じが素晴らしい、敵方の狂気を孕んだ暗黒ヒールっぷりも非常に魅力的。個人的に少年向け漫画に求めてるものが全部詰まってる作品だ。*1
で、それ以来気にはなってたけど読んでなかった西川秀明氏の現行作品をようやく読んでみた。
エロい。
エロくて、グロい。
闇の処刑人(ド変態)がエロくて悪い奴を私(死)刑*2にする、18禁表示が付いてもおかしくない作品だった。
これは驚いた! 普段から気になってる作品の事前情報はあえて極力知らないように気をつけてる甲斐があった。
作品の根底にあるネジが何本も飛んでしまっているような突き抜けっぷりは相変わらずで、時としてハッとするほど凄みのある描線も健在、ドロ眼グル眼銀眼などを駆使した強烈な眼力も西川節全開だった。
……だったのだが、ちょっとこの時点ではまだ作品として評価しづらいかなぁ。高濃度の狂気と高いテンションを秘めている部分は好みなんだけど、悪い常人を私刑にする、という構図なので、主人公側に敵対する強大な敵がまだ存在していない。対立の構図が描けていないので、どうしても盛り上がりに欠けるのだ。現時点で9巻まで出ているのだが、物語としてどのように展開させていったのか、ちょっと調べてから続きに手を出してみようと思う。

*1:テンションの方向性で言えば「迷宮神話 第1巻―はじけて!ザック (文華コミックス)」なんかがちょっと似てるかも、ZMANはもっと澄んでるイメージだけど。

*2:岡田芽武的言語表現