“文学少女”と死にたがりの道化 (ファミ通文庫)

人死にがするし太宰ネタだし、なのになぜこの話はこんなにスイートなんだろう。
可愛くて優しく、ちょっと不思議な先輩と二人っきりの文芸部はもはや蜜月だ。この、脳が痺れるような甘ったるい空気感は暗闇にヤギを探して (MF文庫J)(id:y05k:20061005)に近いものを感じた*1。それならいっそのこと、事件性を薄くして先輩の甘さ優しさにとことん溺れさせて欲しかった、という気もする。そっち方面で次巻以降は期待しちゃっていいのかな? かな? あと、テキスト自体は非常にこなれてて読みやすいんだけど、ちょっぴり歯ごたえも欲しい。
というか暗闇にヤギを探して (MF文庫J)は2巻(暗闇にヤギを探して〈2〉 (MF文庫J))が出てることにさっき気づいた。買う。
今期58冊目の読了でした。

*1:「紙を食べる」という共通項を抜きにしても