で、その答え

「金型を3種類使っているところがおかしい」が正解でした。
左右のパーツに凸を付けて中央パーツに凸がなければ(もしくはその逆でも)、左右のパーツは同じ形状で済むため、パーツ成型に使う金型が2種類で済むよね。
たとえば国内でこのくらいの1パーツ分のインジェクションの金型を作るとすると、原型込みで100万円〜*1かかってしまうのだ。左右対称の構造にするだけでそれだけの金額が浮くとすれば、表面に印刷などが入れられるかもしれないし、そもそもの形状自体をもっとこったデザインにできるかもしれない(もちろんそのまま原価率を下げて利益を出すって作戦もある)。つまりもっと自由にデザインできる可能性を、パーツのでっぱりの位置が違うだけで自ら捨ててしまっている。ってのがグッズデザイナーのお仕事としておかしいところ。
いつだって商品の見た目に見合う適正な値段は決まっているのだから、こうゆうムダに対して無自覚だとあっという間に原価を喰らい尽くされちゃってもうデザインする余地なんて残らない、って話でした。不思議なことに、デザインってのは守り続けないと失われていく性質のものなのよね。

*1:インジェクションのメッカ、静岡の工場の人に聞く機会があったのでちょっと金額修正