へうげもの(3) (モーニング KC)

へうげもの(1) (モーニング KC)

へうげもの(1) (モーニング KC)

へうげもの(2) (モーニング KC)

へうげもの(2) (モーニング KC)

へうげもの(3) (モーニング KC)

へうげもの(3) (モーニング KC)

デカスロン」「度胸星」などが非常に気になっていたんだけど何故か未読だった山田芳裕氏の最新作を1〜3巻までイッキ読み。これはユニーク!
時は戦国時代、主人公は信長の部下。彼は非常に強烈な物欲の持ち主で、当時「名物」と呼ばれていた宝物(ツボや茶碗など)のためだけに出世を狙う高尚な俗物なのだ。この彼が数々の「名物」を一目見たさに策を弄するさまも面白いのだが、一番の見所はなんといっても名品に対峙した瞬間の彼の驚愕っぷりだ。山田芳裕氏の得意とする暑苦しいまでの人間表現を駆使し、美術品のためだけに生きる男の驚愕と歓喜のエクスタシー的内宇宙がこれでもかと描かれる。主人公が口にする独特のオノマトペ(擬音語、擬態語)も思わずマネしたくなる魅力がある。
帝に参拝するための行列に武人たちが各人の趣向を凝らしたファッションで参加し、街道がファッションショーのキャットウォークと化すシーンも面白かった。ファッション的観点から戦国時代の文化を描くって発想がまず普通じゃないよなぁ。