樹海人魚 (ガガガ文庫)

樹海人魚 (ガガガ文庫)

樹海人魚 (ガガガ文庫)

著者の……中村九郎氏におかれましては、執筆という行為そのものが奇行であり……。
中国出張中に読んだ前作「アリフレロ〜」で氏の作品に初めて触れて衝撃を受け、話題のガガガ文庫創刊ラインナップの中からわざわざまっさきに樹海人魚を読む。

なんか文章から見たこともないような異質な感じがするんだけど、どれだけ行を進んだり戻ったりしても一体何が描写されているのかよくわからない、よくわからないままグイグイ読まされておしまい。うん、あれ? 面白かった……です!? 普通に考えたらいろいろと破綻してたり意味わかんないのに先鋭的なセンスだけで突っ走るのズルい!

うん、あれ? 感想が前作とおんなじであります。
導入から前半までは前作よりイメージ伝達に成功しており、文章から立ち上る禍々しさがすばらしいできばえ。主人公と出会ったばかりのヒロイン・霙のセリフなんか特に。

「ミツオ……自分は見ての通り重力が反転しており、自分にとって安全な足場はひどく希少の模様。もし足を踏みはずせば、自分の身体は空の彼方まで落下する、でありますが……」

おぅわなんだこれ凄げぇ。
でも中盤以降はちょっと普通っぽくてやや残念。
とかいいつつも「黒白キューピッド」も買っちゃったのでガガガ関連一段落したら読む。
最近は若干積み気味なので読書スタイル考えんといかんかも。