ザ・サード 蒼い瞳の刀使い

蒼い瞳の刀使い(ソード・ダンサー)―ザ・サード (富士見ファンタジア文庫)
今回はちょっと趣向を変えて富士見ファンタジア。SFミリタリーアクションかなぁ。読み始めてすぐ感じたけれど、この人が描こうとしている物語世界はスケールがとても大きい。といってもただマクロな視点を持ってるとかじゃなくて、こう、地球の裏側まで歩いていけそうな生き生きとした奥行き感があって結構心地よい。なんというか、物語で描いているシーンの一本向こうの路地でもちゃんとNPCが生活していそうな、そんな安心感だ。これはTRPGの上手なゲームマスターの手のひらの上で踊らされる感覚に近い気がした。これでデビュー作とは思えない。ヒロインのキャラやいろいろなガジェットはさすがにやや古い印象もあるが、ストーリー自体は骨太で手堅い感じ(終盤にいたっては、そこまでいくかってくらいさらに骨太に)。はからずもまたSF魂に揺さぶりをかけてくる作品でした。最近よく出会うなぁ。読み終わってから検索したらものすごく続巻が出ててびっくり。絵柄がとても変わっててまたびっくり。